渋谷の相続税・相続手続専門の税理士・会計事務所

相続税対策ドットコム 相続税対策ドットコム

03-6427-340203-6427-3402お問い合わせはこちら

渋谷の相続税・相続手続専門の税理士・会計事務所 相続税対策ドットコム » コラム » 小規模宅地等の特例 老人ホームに入居する場合の注意点

小規模宅地等の特例 老人ホームに入居する場合の注意点

被相続人が老人ホームに入居する場合でも、小規模宅地等の特例を適用できる場合について、解説します。

小規模宅地等の特例とは、一定の要件を満たす場合に、土地の相続税評価額を最大80%減額できるルールです。

参照  小規模宅地等の特例とは? 最大80%節税となる理由とは?

ただし、老人ホームに入居する場合に、適用要件を満たさなければ小規模宅地の特例を使用できず、相続税が増加してしまうことがありますので注意が必要です

今回は、被相続人が老人ホームに入居する場合でも、小規模宅地等の特例を適用できる場合についてご説明します。

1.小規模宅地等の特例の適用要件

亡くなった方の自宅について、小規模宅地等の特例を適用するために、配偶者、同居親族、同居していない親族別に小規模宅地の特例を適用できる要件が定められています。

利用状況

取得者

要件

亡くなった方の自宅

配偶者

特になし

同居親族

相続開始の直前から相続税の申告期限までその建物に居住し、有していること

同居していない親族

下記の要件全てに、該当すること

  1. 居住制限納税義務者又は非居住制限納税義務者のうち日本国籍を有しない者ではないこと
  2. 被相続人に配偶者がいないこと
  3. 相続開始前に、相続人と居住していた親族がいないこと
  4. 相続開始前3年前までに、「取得者又は取得者の配偶者」「3親等内の親族」「特別の関係のある法人」が所有する国内にある家屋に居住したことがないこと
  5. 相続開始時において居住の用に供していた家屋を過去に所有していたことがないこと
  6. その宅地等を相続税の申告期限まで有していること

2.老人ホームに入居した場合の要件

ここで、老人ホームに入居した場合について、亡くなった時点で自宅に住んでいることが必要だと解してしまうと、老人ホームに入居した場合は小規模宅地等の特例を適用できなくなります。
介護や支援などやむを得ない事情により老人ホームへ入居する人が多い中で、自宅で亡くなるか、老人ホームで亡くなるかの違いにより相続税評価の扱いが大きく異なるのは酷であると考えられるため、以下の要件を満たす場合は、老人ホームに入居した場合でも、小規模宅地等の特例を適用できることが定められています。

次の 1 から 3 の要件を満たすときには、居住の用に供されなくなる直前まで被相続人の居住の用に供されていた家屋は、被相続人居住用家屋として特例の対象とされました。

  1. 被相続人が要介護認定、要支援認定を受けている ※1
  2. 被相続人が老人福祉法等に規定する老人ホームに入居していたこと ※2
  3. 被相続人が居住していた家屋について、相続開始の直前までその家屋が引き続き被相続人の保管その他の用途に供されていたこと
    事業の用、貸付の用、被相続人以外の者の居住の用に供されていたことがないこと
    老人ホーム等に入居した時から相続の開始の直前までの間において、被相続人が居住の用に供していたと認められる家屋がその老人ホーム等であること

具体的な要件は以下の通りです。

※1 要介護認定もしくは要支援認定を受けている必要があり、介護保険法では、程度の軽い順に、要支援1、2、要介護1、2、3、4、5の7段階が存在します。

居住する市区町村役場に申請し、手続きを行いますが、審査が通ってから認定という流れになっています。審査期間は、1カ月程度かかることが多いです。
なお、申請中に亡くなった場合でも、亡くなった後要介護認定等がされれば、亡くなった時点で要介護認定等がされていたとみなして小規模宅地の特例の適用が可能となります。
要介護認定の更新は、最初の更新の6カ月後以降は原則1年ごとに必要となりますが、小規模宅地等の特例を適用する場合には、相続発生時点での資格が必要となりますので、きちんと更新するようにしましょう。

※2老人福祉法等に規定する老人ホームとは、下記のように定められていますので該当するのか確認が必要となります。

老人福祉法第5条の2第6項に規定する認知症対応型老人共同生活援助事業が行われる住居、同法第20条の4に規定する養護老人ホーム、同法第20条の5に規定する特別養護老人ホーム、同法第20条の6に規定する軽費老人ホーム又は同法第29条第1項に規定する有料老人ホーム、介護保険法第8条第28項に規定する介護老人保健施設又は同条第29項に規定する介護医療院、高齢者の居住の安定確保に関する法律第5条第1項に規定するサービス付き高齢者向け住宅

また、入居している老人ホームが市区町村へ届出がされている必要があります。有料老人ホームのほとんどは届出がされていますが、まれに無認可で営業している老人ホームもあります。市区町村のHP等で届出済みの施設名の一覧がありますのでそこでの確認は可能です。

3.具体的に問題となるケース

1.老人ホーム入居前に同居親族がいない状況で、老人ホーム入居後に空き家のまま亡くなった場合

配偶者(配偶者がいない場合は相続開始前3年以内に持ち家に住んでいない親族)が取得した場合は、土地評価額について80%減額が可能です。

2.老人ホーム入居前に同居親族がいない状況で、老人ホーム入居後に空き家に配偶者や生計を一にしていた親族が入居した場合

配偶者や生計を一にしていた親族が取得した場合は、土地評価額について80%減額が可能です。

3.老人ホーム入居前に同居親族がいない状況で、老人ホーム入居後に空き家に同居していない親族が入居した場合

被相続人の居住の用に供されている状態ではなくなるため、小規模宅地等の適用は不可となります。

4.老人ホーム入居前に同居親族がいない状況で、老人ホーム入居後に空き家を第三者に賃貸した場合

特定居住用宅地に該当しませんが、貸付事業用宅地等に該当する場合に限り土地評価額について50%減額が可能な場合があります。

5.老人ホーム入居前に同居親族がいる状況で、老人ホーム入居後も引続き同居親族が居住した場合

配偶者や生計一親族が取得した場合は、土地評価額について80%減額が可能です。

6.老人ホーム入居前に同居親族がいる状況で、老人ホーム入居後に同居親族が転居した場合

配偶者(配偶者がいない場合は相続開始前3年以内に持ち家に住んでいない親族)が取得した場合は、土地評価額について80%減額が可能です。

4.まとめ

老人ホームに入居した場合でも、小規模宅地等の特例を適用し相続税の大幅な節税は可能です
ただし、適用が可能かどうかの判断は難しく、税務調査が入り特例適用が否認されると多額の税金支払を指摘される可能性があるため、専門家と相談しながら将来の課税リスクを減らすことが必要です

ページ最上部へ戻る